菜の花や桜がきれいな石垣山城
石垣山城の歴史

石垣山城は豊臣秀吉が小田原攻めの際に築いた城で、わずか数か月という短期間で完成したことで知られています。急造の城であるにもかかわらず、石垣の規模は非常に立派で、まさに天下人の威光を示すお城です。実際に歩いてみると、短期利用のためだけに築かれたとは思えないほどの堅牢さと、縄張りの緻密さに驚かされます。しかも、周囲の山が破壊されることなく現代を迎えたため、当時の縄張りの大半がほぼそのまま残っているのも大きな特徴です。

しかし時代の流れの中で城は廃され、すでに400年以上が経過しています。そのため石垣の一部は崩壊し、当時の威容を完全には留めていませんが、それでも随所に残る石垣の高さから、当時の築城技術と権力の大きさを実感することができます。歩きながら崩れた部分としっかり残っている部分を見比べると、時間の重みを肌で感じることができます。

相模湾を望む絶景

石垣山城の最大の魅力のひとつは、相模湾を見渡す絶景です。本丸跡に立てば、眼下に広がる小田原の市街地や港町、さらに遠くには青く輝く相模湾が一望できます。空気の澄んだ日には伊豆半島や三浦半島、さらには房総半島まで見えることもあり、戦国時代の武将たちが眺めたであろう景色を同じ場所から体感できます。歴史的価値と自然美を同時に楽しめる点は、他の城跡にはなかなかない魅力です。
特に春や秋の空気が澄んだ日には、青空と相模湾の青が重なり、石垣の間から吹き抜ける風が心地よく感じられます。戦国の舞台が今は自然公園として整備され、観光地として人々に愛されていることを考えると、歴史の移ろいを実感できるでしょう。
本丸までの道のり

駐車場から石垣山城の本丸までは徒歩でおよそ20分ほど。緩やかな坂道を登りながら木々の間を歩くと、徐々に石垣が見え隠れし、探訪のワクワク感が高まります。道は比較的整備されているため歩きやすく、途中の展望ポイントからも小田原の街並みを眺めることができます。歴史ファンだけでなく、自然散策を楽しみたい人にとっても魅力あるコースです。頂上に到着すると、石垣の遺構と相模湾の雄大な景色が一気に広がり、歩いてきた疲れも吹き飛ぶほどの感動があります。

駐車場と周辺の楽しみ
石垣山城の観光には、近隣にある「一夜城ヨロイヅカファーム」のカフェや駐車場が便利です。車を停めて城跡を訪れることができるだけでなく、散策の前後にスイーツや軽食を楽しめるのも魅力のひとつです。さらに春には菜の花畑が広がり、黄色いじゅうたんが石垣と青空を背景に美しいコントラストを描きます。歴史探訪に加え、自然とグルメも楽しめるのは石垣山城ならではの贅沢です。
また、菜の花だけではなく、石垣山城は一年を通してさまざまな景色を見せてくれます。春は菜の花や桜が彩りを添え、夏は深い緑に包まれた涼しげな空気が漂います。秋には紅葉が石垣を背景に鮮やかに映え、冬は澄んだ空気の中で遠くの山々や相模湾をくっきりと望むことができます。四季折々の自然と石垣が調和し、訪れるたびに異なる表情を楽しめるのが大きな魅力です

御城印とスタンプ情報
御城印
石垣山城では、御城印とスタンプの収集も人気です。御城印は駐車場横のカフェなどで300円ほどで購入が可能です。デザインには「一夜城」と大きく記されたものや、北条攻めを象徴する意匠が描かれており、訪問記念にぴったりな御城印です!続日本100名城スタンプが設置されており、訪れた証を残すのに最適です。
スタンプ
続百名城スタンプのスタンプ台は石垣山一夜城駐車場のトイレに設置してあり、台風等の災害時でなければ、営業時間に関係なく押印ができるようでした!
アクセス方法
公共交通機関の場合
石垣山城へは小田原駅からのアクセスが便利です。公共交通機関を利用する場合は、バスで「一夜城歴史公園前」まで行き、そこから徒歩で城跡を目指します。
自動車の場合
車で訪れる場合は小田原厚木道路や西湘バイパスを利用すればアクセスが良く、駐車場も整備されているため観光しやすい環境です。箱根観光や小田原城観光と組み合わせて訪れることも可能で、一日を通じて充実した旅程を組めます。
実際に訪れてみて
実際に石垣山城を訪れてみると、短期間で築かれたとは思えないほどのスケール感に圧倒されます。石垣に残る隙間や苔むした石垣に400年以上の歴史の重みが刻まれており、この城を短期間で廃城する関白秀吉のすごさを感じます。
そこから見下ろす相模湾のきらめきや、吹き抜ける風の爽快さは、現代の観光として訪れる私たちに癒しを与えてくれます。歴史の迫力と自然の美しさを同時に体験できるこの城跡は、歴史好きはもちろん、散策や景色を楽しみたい人にとっても強くおすすめできるスポットです。